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■WestarnDigital WD3000GLFS

皆様、こんにちは。
今週から本稼動となりました「パーツ副将軍(仮名)の気まぐれレビュー」の記念すべき第一回は、
ウェスタンデジタル製のハードディスク、『WD3000GLFS ”ヴェロキラプテル”』を取り上げたいと思います。

自作パソコンに詳しい方は『ウェデジのラプター(ラプテル)といえば…』、言わずもがなではありますが、あまり詳しくない方の為に説明を致しますと、
ウェスタンデジタル社のこの『Raptor(ラプテル)』の名を冠したシリーズのもっとも大きな特徴は、
ディスクの回転数が10000回転であるということです。
現在主流となっている「シリアルATA」接続のHDDはその殆どが7200回転であり、
ウェスタンデジタル社のラプテルシリーズはシリアルATA接続のHDDとしては唯一の10000回転HDDとなっています。
単純に言ってしまいますと、ディスクの回転が速ければそれだけディスクからの読み出しが速くなると考えて頂いて結構です。

このラプターシリーズは自作市場に出回り始めたのは2003年ぐらいだと記憶していますが、
当時は熱対策の為、ギザギザになっているボディ等、他のHDDとは明らかに違う雰囲気を漂わせていた事を思い出します。もちろん速度性能は言うまでもありませんでした。
しかしそのラプターも2005年ぐらいに発売されたモデルからは後継といえる商品が長く出現しませんでした。
その間に他のメーカーも一枚のディスクの記憶量を大きくする(プラッタの拡大)、データ転送量の増加(シリアルATAⅡ化)、データ読取の効率化(NCQ)など、ディスク回転速度とは違ったアプローチで性能向上を図り、場合によってはラプターの最新モデルと同等かそれ以上の性能を持つようになり、結果として最近のラプターは10000回転のHDDとしては少し性能が物足りなくなっていました。

そこでWD社が満を持して発表したのが、今回取り上げる『ヴェロキラプテル』です。
10000回転の速度はそのままに、シリアルATAⅡ規格への対応、また高回転HDDの宿命である容量の小ささも300GBとする事で改善を図った、野心的なモデルとなっています。

先ずはその外観から紹介いたします。
verociraptor外観

初代もすごかったですが、今回もインパクト絶大です。
HDDの本体はラベルの貼ってある銀色の部分2.5インチサイズで、周りの黒色の部分、これはギザギザになったHDDのヒートシンクなのですが、これと併せて3.5インチにすると言う荒業です。

このヒートシンクですが、
SN360134.jpg

この様な感じで裏面から特殊ネジで固定されています。
『2.5インチだからノートPCに使えるかも。。。』と思われた方、保証がなくなってしまいますので、
是非おやめくださいね。というよりもこれだけのヒートシンクが必要な程の発熱が予測されますので、
多分危険です。

次にコネクタ部です。
SN360133.jpg

ちょっと見にくいですが、左からシリアルATA電源、シリアルATA信号ケーブルとなっています。
勿論普通のコネクタですので、普通に接続できます。
注意点は普通のHDDよりも端子部が真ん中によっていますので、リムーバブルケース等を使っていらっしゃる方は物理的に挿せなくなる可能性があります。

で、いよいよ『実際性能はどうよ?』という所に入って行きたいと思いますが、
その前にテスト環境を下記に記載いたします。

CPU:Intel Core2Duo E8400
メモリ:DDR2 PC800 2GB
マザーボード:ASUStek P5K-E/WiFi
VGA:nVIDIA Geforce7600GT 256MB
ドライブ:Pioneer DVR-212

以上が共通仕様となり、
HDDは比較対象としてHGST製の『HDP725032GLA360』(320GB,7200回転)を使用しました。

まず身近なところとして、WindowsXPのインストール完了までの時間を計測してみました。
こちらのテストはHomeEditionをオートインストールで計測しています。結果は・・・。

WD3000GLFS:20分1秒      (インストール完了まで)
HDP725032GLA360:21分49秒 (同)

うーん、いきなり微妙な結果になってしまいました。(苦笑)
同一条件で2分近く速くなってはいるので、効果は出ているのですが、この差を大きいと捕らえるか、そうでないかは微妙かもしれません。
というわけで、ドライバのインストールはどうだろう?という事でASUSTek製マザーボードの自動ドライバインストール機能である『ASUS InstAll』を使い、ドライバインストールの時間を計測しました。その結果は・・・。

WD3000GLFS:17分47秒      (インストール完了まで)
HDP725032GLA360:18分26秒  (同)

またしても微妙な結果になってしまいました。これだけ見るとOSのインストールなどでは『ヴェロキラプテル』の真価は発揮されないと言う事のようです。

ドライバのインストールが終わりましたので、いよいよHDDベンチマークソフトを使った速度テストを行います。
使用したソフトは『CrystalDiskMark Ver2.1』、容量は100MBを使用して行いました。
先ずはHDP725032GLA360から・・・・
WS000003.jpg

まずは見方ですが左上の「seq」は「シーケンシャルデータ」という意味で連続したデータのの事を示します。
下の「512K」「4K」は「ランダムデータ」、つまり細切れになってディスク上に散らばっているデータの事を示します。そして数値はその細切れのデータの一つの大きさです。
今回は100MBのデータを使用しますので、「seq」は100MBの連続したデータを読み書きする速さ
「512K」「4K」はそれぞれ512KB、4KBに細切れになってディスク上に散らばっている100MBのデータを読み書きする速さ、となります。
どういう状況か分かりづらいかもしれませんが、「シーケンシャルデータ」は動画ファイルの再生や録画、「ランダムデータ」はソフトの起動等と考えて頂くとよいかと思います。

次に『WD3000GLFS』です。
WS000004.jpg

さすが全ての項目において、HGST製を上回っています。
まず「シーケンシャル」項目ですが読み・書き共に120MB/秒を上回っており、
WD社が公称している120MB/秒のスペックは軽くクリアしています。
特に目に付くのは4KBのランダム読み・書きでしょうか。どちらも2倍近い数値を出しています。

実は高速回転HDDの大きな利点はここにあります。
実際にパソコンを使用する上で、もっとも頻繁に行われるのが、この様な小さいデータのランダム読み書きだといわれています。ソフトを起動したり、OSが設定を記憶したり、プラグインを読み込んだり、そういった際にこういった小さいデータのランダム読み書きが行われています。

ではなぜ『ヴェロキラプテル』はそれが速いのか?という事になりますが、
ディスク上に散らばったデータを拾いにいく為には当然ディスクを回して取りに行ってやらなければならない訳ですが、『ヴェロキラプテル』は10000回転、目的のデータに到達する速度が速い、そしてディスクが他のHDDと違い2.5インチなのでディスクが小さく、目的のデータまでの移動距離が短くてすむ、この二つの利点により、この様な性能を引き出しているのです。

ここまで書くと、鋭い方はシーケンシャル読み書きが他に比べて大きな差が付いていない事がなぜかお解かりになると思います。
ディスクの小さいHDDは連続した大きなデータの読み書きが苦手なのです。
つまりその様なデータになるとディスク一枚あたりのデータ量が大きい3.5インチディスクの方が移動量が少なくなってしまう為に、高速性と小さいディスクの利点が損なわれてしまうのです。

次に高速HDDとなると、気になってくるのが、『動作音・発熱』ですが、こちらについても調査してみました。
ハードウェアチェックソフトを使用して、アインドリング状態・ディスク回転状態・シーク状態を作り、
ディスク上面、3cmぐらいの位置に騒音計を設置して騒音を計ってみました。
ちなみに測定場所での環境騒音は40db程度です。

・アイドリング時
WD3000GLFS     48db
HDP725032GLA360 46db

・ディスク回転時
WD3000GLFS     50db
HDP725032GLA360 48db

・シーク状態時
WD3000GLFS     52db
HDP725032GLA360 48db

さすが動作音が静かな事で定評があるHGST製はアイドルからシーク時でも殆ど音量が替わりません。
『ヴェロキラプテル』も数値を見るとかなり健闘しています。
アイドル状態では前モデルがほぼ常時発生させていた『み゛~ん・・・』というモーター音と甲高い『カリカリカリカリ・・・』という連続音は殆どありません。
ただ数値にも表れているのですが、シーク時には『み゛~ん・・・』が耳に付くようになり、
『ゴリゴリゴリ・・・』と石臼をひくような低音が聞こえてきます。
モーター音は別として前モデルほど耳につく音ではありませんが、静音とは言えないかと思われます。

発熱についてですが、騒音測定の間、ずっとHDDは動かしっぱなしだったのですが、
温度は『人肌より若干熱い程度』でした。評価用として用意したHGST製も同じぐらいの熱さでした。
驚いたのは『ヴェロキラプテル』のヒートシンクで、場所を変えて触ってみたところ、どの場所も比較的均等に熱くなっており、イロモノ的な外観とは裏腹に非常に良好な熱拡散性を持っている事が分かりました。

・まとめ
今回の新機種も非常に『Raptor』らしい製品に仕上がっていたと思います。
しかしやはり得手不得手を考慮して使って頂くのがよい商品化と思います。
チェックしている過程で『ヴェロキラプテル』をOSおよびソフトインストール用、
そして安価で大容量のHDDをデータ保存用に使ってやる、というのがいいかな、と思いました。

これは数値にすることが出来なかったので、主観ではあるのですが、
『ヴェロキラプテル』をOSインストールディスクにした際には右クリックのポップアップメニューの起動がすっ、といったり、ダブルクリックの反応がよかったり、とてもきびきびした動作が印象的でした。
恐らくディスクの回転開始が早いためだと思われるのですが、この辺りは数値に反映されない部分かな、と思いました。

価格は高いですが、CPUやメモリ等の性能が頭打ちになる中、違ったアプローチで満足感が得られる製品だと思います。

※掲載のデータは参考データであり、お客様の環境での性能をご保証する物では御座いません。
 また快適さの定義には個人差がありますので、悪しからずご了承ください。
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